進化し続ける「関西発正統派ポップバンド」ドラマストア 長谷川海が見つめる2021年とその先の物語 ≪前半≫
「君を主人公にする音楽」をコンセプトにした関西発正統派ポップバンド、ドラマストア。昨年の夏に、非常事態宣言が発出されてからのバンド活動について、バンドとしての在り方など幅広く質問に答えてもらいました。あれから、半年以上が経過し、トリプルA面の3rdシングル『希望戦線/knock me, knock you/回顧録を編む』を2021年3月31日にリリース。
前向きであり、そして戦略的に、どんどん進んでいく彼らの近況について、ギターボーカルの長谷川海さんに再び、お話を伺いました。
人気クイズ番組に出演し優勝 勝負強さを発揮
―ご無沙汰しています。今日はよろしくお願いします。ご活躍SNSで拝見していましたが、『アタック25』(『パネルクイズアタック25』 朝日放送テレビ)にご出演されましたね。
ハハハハハ!そこから入るんか?はい、縁あって出演しました。(笑)
―あれは何だったんですか?(笑)
何だったんですかね。 なんかこういうご時世なので、一般の方というよりはタレントの企画モノが多かったみたいで。たまたまマネージャーが「募集してるけど、予選会出てみたい人いる?」みたいな。もちろん他の3人は「いいです、いいです。」っていう感じだったんですけど 、「僕、興味あります。」みたいな話をしたらあっさり通ってしまって。トントンといってしまって、優勝してしまったっていう経緯なんですけど。
僕も全く期待って言うかね、出たただけでもよかっただろうっていう感じだったんですけど、あれよあれよと僕が答えてしまうもんやから、マネージャーは自分の息子の頑張りよりも嬉しいということを言われました。
―いろいろな所に興味や視点を持っているからこそ、答えられることもあったのでは?
そうかもしれないですね。
クイズだったり、謎解きだったりっていうのが案外好きっていうのはありましたし、それにプラスして結構「勝負強さが生きたな」って。観覧に来てくれてた悠真(ベース:高橋悠真)は、すごい分析してくれてて。勘やったとしても、行くとこ行くとこ主導権を取るとこ取るみたいな。そういうせめぎ合いは、なんか長谷川家の血やなって感じで。
―持っていますね。
もってますよね。自分でも思います。はい。
10月11月のライブ経験が、より前向きになるチカラを。
―昨年はカウントダウンフェスも残念ながら中止などもありましたが、それでも前に進んでいるという感じがとても伝わってきました。
そうですね。一番大きかったのは、かなり縮小したけれども、ちゃんとツアー10月11月と回れたっていう点だと思うんですよね。そこで自分たちのすごく満足ができるライブができた。特に、東京のツアーファイナルでは苦しい中、歩み止めずに頑張って来てよかったよね、みたいな。ちょっと“報われた”じゃないですが、それに似た感覚を得られたっていうのが、非常に大きかったのかなと思います。
僕は、非常に前向きに一年過ごしたつもりだったんですけれども、その幅は違うと思いますけれども、メンバーもそう言った形がしっかり出来て。前を向くきっかけになった年末だったなと思いますね。
その経験があったおかげで、カウントダウン・ジャパンが無くなったり、この先どうなっていくんだろうっていう不安を拭い去ることが出来たかなと思いますね。
―ライブのお客さんはどうでしたか?声は出せないけれども。
ぶっちゃけ最初はちょっと不安…。僕ら側が不安だったんですよね。
大阪公演の時は、お客さんのことを心配してしまうという意味ではないんですけれど、「大丈夫かな?伝わってるかな?」って。ちょっと必死になってしまうところがあったんです。でも一か月経って、自分の中でいろんなことを整理した時に、だいぶいい緊張感の中でやることができて。(東京公演の)リハーサルで、「あ、これは多分、俺行けるわ」みたいな感覚がすごくあったんですよ。
ちょっと話それちゃうんですけど、僕、小学校の時にピアノをずっとやってて、発表会までの練習では絶対に失敗するところがあるんですけど、発表会だけはミスらへんみたいな。“本番ちゃん”みたいなあだ名を付けられてたこともあって(笑)その時に似てる、いい緊張感やなという感じが、リハーサルの時からあったんですよね。
だから東京公演の本番、「マスクの下、何考えてるんやろう?」みたいな、大阪の時やったら心配になった部分が、「絶対、大丈夫に決まってる!」みたいな。かなり自分の中で、良い所に落とし込めた。良いところに落とし込みながら、ライブができたので、全然心配は無かったですね。絶対楽しかったと思います。
―タワーレコード新宿店で3月28日に開催されたサイン会を遠くから見ていたんですけれども、ファンの方がマスクしてますけれど、すごく嬉しそうなのが分かるんですよ。
見てくださってたんですね(笑)
ファンが嬉しいのが、何よりやなと思いますし。やっぱり伝わってるのやなと思うところはありましたね。もちろん、これがベストではないですし、この状況やから何ができるかって考えてることも正直、僕としては楽しくないことなんですけど。逆に言うとね、こういう物があっても、僕たちの音楽はまっすぐ届いてる。僕たちの人間性は、まっすぐ届いているっていう証明にもなったかと思うので。むしろこれがなくなった時に、今までの2倍3倍、僕たちが強くなっているじゃないかなと捉えたいなと思います。
―サイン会を見ていて思ったのですが、男性ファンもたくさんいるなと。ご自身でも男性ファン増えてきたと感じていますか?
めちゃくちゃありますね。
僕がバンドの活動始めたきっかけも、男性5人組バンドがキッカケだったんですよ。その時とかもライブハウスの最前列はいつも、女子女子女子女子、俺、女子女子女子って感じだったんですよ。そのバンドの方も、物販で女性の方にも対応しますけど、僕が遠征してライブ見に行って、「もう深夜バスの時間やから帰らな」ってしてるのを察してくれて、「ちょっと待ってね」って僕のところに来てくたことがあったんですよね。
だから、同性のファンっていうのは、僕の中で非常に嬉しいというか。だからと言って、女性ファンの方を軽視することでは決してないんですけど。めちゃくちゃ熱いって言ったらいいんか、分厚い層と言うか。「ココ取れてるんやったら、間違いない。当たってんなお前。」みたいな安心感ありますね。
同じく、お父さんお母さん世代も増えてきてるんで。同じような感情ですね。幅広く裾野がどんどん広がっているような。特に、人生の先達の方々に、自分の言葉が届いてるっていうのが、恐縮やけれども嬉しいし。生き方、間違ってなかったんやな、みたいな。僕の持ってる視点は、そういう上の世代でも通用するんやな、みたいなことを、自分の中でも武器できるというか。どの層でもファンてありがたいですよね。もちろん10代の方達もですけど。
タワーレコードはドラマストアの聖地化している!
―タワーレコード新宿店はドラマストアの聖地にしたいと。
なりましたね。すごいです。なんかもうあそこだけ見たらね、自分たちがこうなってるのってもうちょっと先のことやと思ってましたし、愛されてんなと思いますね。
―新宿店以外のタワーレコードさんで結構、そういう展開が多いというのも少し聞いたんですけども。
本当に、お陰様で去年の受賞(第12回CDショップ大賞2020 関西ブロック賞)以来、前作はね、ホントにコロナ真っ最中やったので、バタバタあったと思うんですけども。ある程度はコロナの波と付き合っている今、以前のアルバムより、ちょっと小規模でシングルみたいやのに、圧倒的に前回より大きく推してもらってるなーっていうのは、もう目に見えて分かるので。もう頑張らなアカンなと思います。励みになってます。
―やっぱりその店員さんからの推してもらうのは、大きいですか?
もちろんです、もちろんです。ビジネスライクでの推してもらっているではなくて、本心でやりたいと思ってやってくださっていことなので、僕らとしてもすごく嬉しいです。
関西ブロック賞(第12回CDショップ大賞2020)を頂いたことも、絶対起因してると思うんですけれども、耳が肥えてると言うか、裏側の仕事にしてる人たちにとっても、自分たちの音楽が、“これは売れる”という、悪い言い方をすると、ちょっとお金の成る木じゃないけど、そういう見え方をしてくれている人たちがいるってことは、僕たちの中では、もちろん生活基盤としては安心ですし、嬉しいというか。それがもっと広がっていけばと、もちろん思います。
トリプルA面への想いや聴きどころ。
―トリプルA面、一曲ずつ表情が違いますね。一曲目の「希望前線」は、夏空の下でフェスでみんなでこう跳ねながら聴きたいような曲です。新しいアンセムのようにもなりそうですね。
そうですね、まぁ、例のごとくミュージックビデオどんなん撮りたいから始まったんですけど。今回の作品が、まぁインディーズ時代、最後のシングルにしたいよねって話を、ずっとしていて。“最後に自分たちで作るミュージックビデオ”ってなった時に、和也くん(ドラム・コーラス:松本和也)が「バンドサウンドでギターロック。俺たちポップバンドやけども、こんなんもできるでってとこ、ちょっとやってみようぜ。」というみたいな話から、制作が進んでいったっていう形ですね。
―なるほど。それぞれ表情が違うので、新しいファンの人にドラマストアってどんなバンド?って聞かれた時に、この一枚で分かってもらえるようですね。
簡単ですしね、3曲やし。そういう確かにシーンだったり、幅は確かにかなり広いですね。自分たちでもやってて、お得やと思いますし。それゆえに、カップリングっていう言葉を、ちょっと使わへんかった、っていうのがあるかもしれないです。
「希望前線」
―「knock you , knock me」も管楽器の音も入って、華やかですね。
あれは本当に打ち込みだったり、ブラスの考えだったりっていうのは、トリ(ギター・キーボード:鳥山昴)が大きく成長したんやと思います。そうですね、ほとんどあの人任せですね。
レコーディング自体はものすごく楽しくて。僕は普通に歌いながら、これライブ行ったら楽しいんやと思うな、向こうにお客さんいるんやろうかと、感極まった思い出がありますね。冒頭の話じゃないですけど、これは実はこの『アタック25』からできた曲だったりするので。
―えっ!そうなんですか?すごいなぁ。「回顧録を編む」は、個人的には夕方が似合う感じがしていまして。「君を主人公にする」というコンセプトはもちろんですが、作品を聴くと景色がパッと浮かぶ印象がありました。
そういう、なんか情景的なものを書こう、みたいなつもりはなかったんで、それがパッと広がってるってことは、それだけ豊満なサウンドになったというか。僕の歌詞を汲み取ったサウンドメイクを、メンバーがしてくれているからに、他ならないと思うんですよね。僕から見たら他の3人に感謝かもしれないですね。ありがたいです。
―前回伺ったように、やっぱり制作は組織立てていますか?
そうですね。だいぶ組織立ってると思います。
もちろん喧嘩やったりね、言い合いとか少なくはなかったですけれど、まぁ全ては自分の僕が書いてる曲をどれだけ良くしてもらおうとしてるか?という話し合いなので、みんな見てるところは一緒なのかなと思います。なんかこう、前以上にベクトルもしっかりと合って、基盤をもっと、幹が太くなったというか、根がしっかり張ってきてるなとか。なんかこうやっぱり、いろんな経験を重ねたのもあると思うんですけれども。
≪後半≫へ続く
ドラマストア
「君を主人公にする音楽」をコンセプトとした関西発・正統派ポップバンド。
2014年 大阪にて結成。
2018年 東名阪広にてワンマンライブツアー「4th Anniversary Tour」開催。全公演チケット即日SOLD OUT。
2019年 1st Full Album「DRAMA STORE」発売。同作品にて「タワレコメン」獲得!アルバム収録曲に5つのTVタイアップを獲得。YouTube Musicの2019 年注目アーティスト「Artists to Watch」に選出。
2020年 1st Full Album「DRAMA STORE」が第12回CDショップ大賞2020「関西ブロック賞」を受賞。 4th Mini Album「Invitations」発売。収録曲の「東京無理心中」が柴門ふみ原作のドラマ「女ともだち」主題歌に決定。
MBSラジオ「週刊ヤングフライデー」にVo&Gの長谷川海のレギュラー出演開始。
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2020、MONSTER baSH2020、COUNTDOWN JAPAN 20/21出演決定。(いづれも新型コロナウイルスの影響で中止)
2021年 3月31日トリプルA面 3rd シングル「希望前線/knock you , knock me / 回顧録を編む」をリリース。「アポロ -2020-」がフジテレビ「フジテレビ「ジャンクSPORTS」エンディングテーマに決定。
ノエビア ブランドWEB CM 「2021 年春篇」に未発表楽曲「花風」が決定!
4月から全国ワンマンツアーを開始
ライブのスケジュールなどについては公式ホームページからご確認ください。
前回のインタビュー(2020年夏)はコチラからご覧いただけます。
インタビュアー:石井由紀子(ミュージックソムリエ)
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