文化放送『女が音楽を始めるときはモテたいからじゃない』前編 パーソナリティ NakamuraEmi の魅力


 4月になり、ラジオも新番組が各局でスタートしている。音楽に関する番組も多くあるが、その中でも、心臓を射抜かれたかのような衝撃が走った番組がある。文化放送でスタートした『女が音楽を始めるときはモテたいからじゃない』だ。もう、このタイトルを眼にした瞬間、ガッツポーズ。更に、パーソナリティのラインナップを見て「キターーーー!!」と、ひとりで叫んでしまった。

 この番組は、4月1日から毎週水曜日の26時30分~27時00分で放送開始。女性シンガーソングライターが、週替わりでパーソナリティを務める。1週目はコレサワ、2週目は竹内アンナ、3週目はNakamuraEmi、4週目はFINLANDS(塩入冬湖)、5週目はヒグチアイ。どのアーティストも、自分自身をしっかりと表現し、多くのリスナーに愛されているアーティストだ。

 音楽の聴き方や楽しみ方は、人それぞれだ。聴き方などを強制するつもりはないが、この番組でパーソナリティを務めるアーティストは、とても魅力的で、もっとたくさんの人に聴いて欲しいし、その人となりも知りたいと思っている方ばかり。彼女たちの歌詞に共感し、時に心をえぐられる。しかし、えぐられた後には、何か前を向けるような気持ちにもさせてくれるのだ。

 普段は音楽を通して、彼女たちの人物像を推測しているが、ラジオで話すと、その印象はどのように変わるのだろうか?そして、この番組を企画した人は、どんな人なのだろうか?湧きすぎた興味は、なんとパーソナリティを務めるNakamuraEmiさんと番組ディレクターにインタビューと言う形で実現した。(番組ディレクターは、後編にて紹介。)

 3週目を担当する、NakamuraEmiさんの収録があった某日、私は収録現場にいた。初めてお会いするNakamuraEmiさん。力強い歌声と、嘘がなく真っすぐ心に刺さる歌詞から、キリっとして隙のないような女性をイメージしていたが、まったく逆だった。柔らかな空気をまとい、周囲を笑顔にさせ、まるで少女の雰囲気を持つ女性だ。
 彼女がブースに入り談笑を始めると、みんなもその話に笑う。ほのぼのとした空気が、スタジオ内に流れていた。

 収録が始まる。歌声とは違う、話をしているNakamuraEmiさんの声が流れる。とても優しい声で、のんびりと話をしてくれる。ステージやCDなどの音源で聴く歌声や、ジャケットの写真とも違う、もっともっとリスナーとの距離が近いような、まるで素を見せてもらっているようだ。“距離が近く感じる”ということこそ、ラジオの魅力だと思うが、なんだか新しい友人が出来たような気持ちで話を聞いていた。

 初回ということもあり、「緊張する」と終始言っていたが、たくさんの話を笑顔で話している姿は、とても楽しそうだった。また、「緊張する」と言うことを表現するのに、自分の体の一部がおかしくなっている、というような表現をしていた。(あまり言うと、ネタバレになるので、詳細は言えないが…)こういう表現こそ、NakamuraEmiさんの人となりが分かるような気がする。日々モヤモヤとして、悔しい思いをした時に、言葉に出来ない抽象的な思いを、掬い取って歌にしてくれている人の使うフレーズには、面白さがあると感じた。

 およそ、40分~50分くらいで収録は終了。見学をしている側からは、あっという間の時間だった。簡単な言葉になるが、ただただ楽しい時間だった。

 収録を終えて、お疲れのところを、NakamuraEmiさんに、いくつかインタビューをさせて頂いた。気さくに話をしてくださった。

 26:30~27:00は普段、何をしている時間かと聞いてみると、「結構、夜型なので、起きてもうすぐ寝るときですね。筋膜リリースってゴロゴロしたやつで、ゴロゴロやっている時間。それで、もうすぐ寝るなーって時間です。」と返ってきた。割と、リラックスしている時間のようだ。
 また、ラジオと歌を歌うこと、どちらも“伝える”ということではあるが、実際にやってみての違う点なども聞いてみると、ご本人は「ライブはメインが曲だけど、私はその場で話すことが、上手くまとまらないタイプなので、だからこそ、歌詞を書いて曲を歌っているタイプ。」「改めて、ラジオとなるとメッセージだったり、この瞬間の想いを伝えていきたいとなると、あたふた あたふたしちゃうので、でも、そこも感じ取って頂きながら、曲を聴いてもらうと、楽しいのかな、とも思うので、情けない部分もいっぱい出しつつ、楽しい番組にしてきたいなと思ったりしています。」とのことだった。
 最後に、番組への意気込みも聞いてみた。「やっぱり、女性っていろんな小さなことを気にしちゃうタイプ、性だと思うけれど、それでも、女性が何かをやろうと決断した時とか、何かをやりたいと思う時って、すごいパワーだと思うので、それを応援できたり、悩んだときは一緒に考えられたりする番組に出来たらいいな、という思いがあります。」と話してくれた。

 私自身、実はNakamuraEmiさんと同学年だ。日々の仕事や生活での思いが、同じ世代であるということもあってか、より一層リアルに感じ、自分事として歌を聴き、時に泣くこともある。
 優しさと強さの両方を持つ曲を作る人との30分の番組は、楽しくほのぼのとし、きっと回を重ねるごとに、リスナーとの信頼関係が生まれ、“楽しい”にプラスした何かが生まれてくるのではないか、と思った。
 NakamuraEmiさんの放送は、毎週水曜日、初回は4月15日(水)26時30分から。文化放送でOAされる。

最後に、ご時世だけにやや間隔をあけての記念撮影の1枚を。

インタビュー・文章:石井由紀子

(ミュージックソムリエ)


【番組概要】

タイトル:『女が音楽を始めるときはモテたいからじゃない』

放送時間:毎週水曜日 26時30分~27時00分

放送局:文化放送(FM91.6 & AM1134)radikoでもお楽しみ頂けます。

パーソナリティ:1週目 コレサワ

        2週目 竹内アンナ

        3週目 NakamuraEmi

        4週目 FINLANDS(塩入冬湖)

        5週目 ヒグチアイ

メールアドレス:janai@joqr.net

Twitter:@_janainoyo

NakamuraEmi

http://www.office-augusta.com/nakamuraemi/index.html

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